日本大百科全書(ニッポニカ) 「フラン樹脂」の意味・わかりやすい解説
フラン樹脂
ふらんじゅし
furan resin
フルフラールまたはフルフリルアルコールから得られる樹脂の総称。フェノールフルフラール樹脂、フルフラールアセトン樹脂、フルフリルアルコール樹脂などをいう。各種配合物は酸触媒を用いて比較的低温で加熱させて中間体をつくり、最終的には高温で加熱硬化させる。耐酸・耐アルカリ性に富んでいるので、樹脂セメントとしてガラス繊維で補強して直接ライニングに使われる。酸・アルカリを用いる反応容器とか貯蔵タンクの内張りライニングである。最近ユリア(尿素)、ホルムアルデヒド、フルフリルアルコールの三成分系の樹脂が鋳造工業の鋳型の結合材(シェルモールドshell mold用結合材という)として用いられている。
[垣内 弘]