ベルギー南部エノー州の工業都市。人口20万0233(2000)。サンブルSambre川(ムーズ川支流)に沿う。ブリュッセルやアントワープと運河,鉄道,高速自動車道により結ばれ,〈ABC枢軸〉と呼ばれる。起源は比較的新しく,1667年にスペインのネーデルラント総督カステル・ロドリゴ侯がここに要塞を築いて,国王カルロス(シャルル)2世にちなんでシャルルロアと命名したのに始まる。その後,一帯は石炭と農村における鉄加工業によって繁栄し,1820年代からは,石炭・鉄鉱石の資源を基礎に,製鉄,機械工業,石炭化学を中心に近代工業の急速な発展をみ,リエージュと並ぶ同国の重要な工業都市に成長した。しかし第2次大戦後,石炭業の衰退に加えて,主力産業の製鉄,重電機,重機械,車両,石炭化学が停滞し,労働力供給も頭打ちとなり,産業構造転換を迫られている。第1次大戦中(1914年8月21~23日)に,ベルギーに侵攻したドイツ軍とフランスとの間で激戦(シャルルロアの戦)が繰り広げられた。
執筆者:石坂 昭雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ベルギー西部、エノー州東部の工業都市。人口20万0578(2002)。首都ブリュッセルの南約50キロメートル、サンブル川左岸に位置し、かつて重要な炭田地域の中心地で鉄鋼をはじめ、電気機械、航空機製造、ガラス、化学肥料、セメントなどの工業が発達していた。しかし1960年代後半からの石炭業の不振に伴う斜陽化が著しい。町の起源は、スペイン王カルロス(フランス語名シャルル)2世にちなみ命名された1666年建設の要塞(ようさい)である。第一次世界大戦の激戦地。
[川上多美子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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