シャルルロア(その他表記)Charleroi

デジタル大辞泉 「シャルルロア」の意味・読み・例文・類語

シャルルロア(Charleroi)

ベルギー西部、エノー州の都市。ブリュッセルの南約50キロメートル、サンブル川沿いに位置する。18世紀に石炭採掘によって栄え、工業都市として発展。第一次大戦の激戦地となった。第二次大戦後、工業は衰退傾向にあるが、印刷業ガラス工業などが続いている。市庁舎に併設する高さ約70メートルの鐘楼が、1999年に「ベルギーとフランスの鐘楼群」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。シャールロア

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「シャルルロア」の意味・読み・例文・類語

シャルルロア

  1. ( Charleroi )[ 異表記 ] シャールロア ベルギー南部の工業都市。石炭や鉄鉱石を産出し、鉄鋼機械化学セメント工業がさかんだったが、第二次大戦後は停滞。第一次世界大戦激戦地でドイツ軍に占領された。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「シャルルロア」の意味・わかりやすい解説

シャルルロア
Charleroi

ベルギー南部エノー州の工業都市。人口20万0233(2000)。サンブルSambre川(ムーズ川支流)に沿う。ブリュッセルやアントワープ運河鉄道,高速自動車道により結ばれ,〈ABC枢軸〉と呼ばれる。起源は比較的新しく,1667年にスペインのネーデルラント総督カステル・ロドリゴ侯がここに要塞を築いて,国王カルロス(シャルル)2世にちなんでシャルルロアと命名したのに始まる。その後,一帯は石炭と農村における鉄加工業によって繁栄し,1820年代からは,石炭・鉄鉱石の資源を基礎に,製鉄,機械工業,石炭化学を中心に近代工業の急速な発展をみ,リエージュと並ぶ同国の重要な工業都市に成長した。しかし第2次大戦後,石炭業の衰退に加えて,主力産業の製鉄,重電機,重機械,車両,石炭化学が停滞し,労働力供給も頭打ちとなり,産業構造転換を迫られている。第1次大戦中(1914年8月21~23日)に,ベルギーに侵攻したドイツ軍とフランスとの間で激戦(シャルルロアの戦)が繰り広げられた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャルルロア」の意味・わかりやすい解説

シャルルロア
しゃるるろあ
Charleroi

ベルギー西部、エノー州東部の工業都市。人口20万0578(2002)。首都ブリュッセルの南約50キロメートル、サンブル川左岸に位置し、かつて重要な炭田地域の中心地で鉄鋼をはじめ、電気機械、航空機製造、ガラス、化学肥料、セメントなどの工業が発達していた。しかし1960年代後半からの石炭業の不振に伴う斜陽化が著しい。町の起源は、スペイン王カルロス(フランス語名シャルル)2世にちなみ命名された1666年建設の要塞(ようさい)である。第一次世界大戦の激戦地。

[川上多美子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャルルロア」の意味・わかりやすい解説

シャルルロア
Charleroi

ベルギー南西部,エノー州の工業都市。ブリュッセル南方約 50km,サンブル川北岸に位置する。 18世紀には炭鉱を中心とした都市で,19世紀には,サンブル川の運河化,鉄道,道路の整備により,一大工業地帯の中心に発展。周辺の炭鉱は閉鎖されたが,鉄鋼,機械,ガラス,化学,製陶などの工業があり,大都市圏を形成している。特にガラスの生産ではヨーロッパ有数。シャルルロア=ブリュッセル運河がサンブル川とスヘルデ川を結び,鉄道,道路で国内,ドイツ,フランスの諸都市に直結している。北郊には空港がある。人口 20万 6214 (1991) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android