チコリー(読み)ちこりー(英語表記)chicory

翻訳|chicory

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チコリー」の意味・わかりやすい解説

チコリー
ちこりー
chicory
[学] Cichorium intybus L.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。和名キクニガナ。原産はヨーロッパ、北アフリカ、中央アジア地域。根は太い直根で、早春に狭長で先のとがった根出葉を出す。茎は夏にとう立ちして高さ1~2メートルになり、上部に数本の花枝をつける。花枝には葉はない。花は径3センチメートルほどのタンポポに似た形で、色は青紫、淡紅白色など品種によって変異がある。茎葉や根を傷つけると白い乳液が出る。ヨーロッパでは葉や根を利用するため、かなり古くから栽培されているが、栽培・利用が多いフランスで栽培が始まったのは17世紀ころであるといわれている。日本へは江戸末ごろに導入された。2000年代に入ってから、栽培する地域が増えている。

 春に種子を播(ま)き、株を養成し、秋に掘り上げて密に植え込み、鋸(のこ)くずなどを厚くかけて早春の芽生えを軟白させ、軟らかい葉をサラダ用にする。根は煮食する。また根を刻んで乾燥させ、炒(い)って粉にしてコーヒーに混入し、苦味をつけるとともに、芳醇(ほうじゅん)な風味を出させる。根の主成分はイヌリンである。

[星川清親 2022年3月23日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android