日本大百科全書(ニッポニカ) 「フラマン語」の意味・わかりやすい解説
フラマン語
ふらまんご
独立した言語ではなく、オランダ語の方言群の名称である。ベルギー北部(フランドル地方)で使用されているオランダ語の諸方言の独自性を強調するため、とくにこうよぶ。言語学的に意義のある分類だが、一般にはオランダのオランダ語およびベルギー南部のフランス語(ワロン語Walloon)に対比させた民族的、社会的概念として使われることが多い。話者(フラマン人とよばれる)は約600万人いるが、その方言群の存在が公認されているわけではなく、ベルギーの公用語となっているのは標準オランダ語である。フラマン語に属する方言で書かれた刊行物もあるが、それは一部地域住民の郷土愛の産物であって部数は少ない。
[桜井 隆]