改訂新版 世界大百科事典 「ブッシング」の意味・わかりやすい解説
ブッシング
bushing
電気機器のケースや建物の壁などに取り付けてそこから電気が出入できるようにする装置(図1)。構造的に大別すると以下のようなものがある。(1)単一形ブッシング 図2に示すように碍管(がいかん)中を導体を通すだけの構造のブッシング。33kV以下の電圧に使用される。(2)油入ブッシング碍管に油といくつかの絶縁筒を入れたブッシング。構造的に古いタイプのものである。(3)油浸紙コンデンサーブッシング 導体に紙とアルミ箔やカーボン紙などを適当な間隔で巻き込んで絶縁油を含浸させてコンデンサーを形成させ,電界分布を改善して,絶縁を強化したブッシング。高電圧にいちばん広く用いられている。(4)ガスブッシング 六フッ化硫黄SF6など絶縁性のよいガスを圧力を加えて封入し,内部に金属のシールド環を入れて電界分布を改善したブッシング。主としてガス絶縁機器に用いられる。(5)樹脂ブッシング 導体にエポキシ樹脂やフェノール樹脂などを固着させて絶縁強化したブッシング。高電圧用には油浸紙コンデンサーブッシングと同じ構造で,油の代りにこれらの樹脂で固めたものもある。
執筆者:藤村 哲夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報