ブリーム(その他表記)Julian Bream

改訂新版 世界大百科事典 「ブリーム」の意味・わかりやすい解説

ブリーム
Julian Bream
生没年:1933-

イギリスギターおよびリュート奏者。ロンドンのローヤル音楽カレッジに学ぶかたわら,個人的にギターを習得し,1950年ロンドンでデビュー。59年〈ジュリアン・ブリーム・コンソート〉を結成し,71年ギターやリュートなどによる室内楽を中心とした〈セムリー音楽祭〉(ウィルトシャー)を設立。クラシック・ギターを再評価するとともに,16,17世紀のリュート音楽を研究および紹介したという点で非常に大きな影響力をもち,また彼の華麗で張りのある演奏は多くの人々を魅了した。古典曲のほかに,ビラ・ロボスの《ギター協奏曲》をイギリス初演したり,ブリテンらの作品の演奏も手がけ,広いレパートリーをもつ。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリーム」の意味・わかりやすい解説

ブリーム
ぶりーむ
Julian Bream
(1933―2020)

イギリスのギター奏者、リュート奏者。ロンドン生まれ。初めピアノを学んだが、ギター愛好家だった父の手ほどきでギターに転じ、10代で早くも演奏活動に入る。スペインの名ギター奏者セゴビアの目にとまるほどの天分を示し、若くして世界的な名手の一人に数えられた。ルネサンス音楽にも関心をもち、リュートの研究と演奏に手を染め、この古楽器の権威となる一方、ジュリアン・ブリーム・コンソートを組織、16~17世紀のイギリス音楽の普及に尽力するなど多面的に活動。1965年(昭和40)初来日。大方のギター奏者と違ってギターにおぼれず、古典的な均整美を保持しつつ控えめに、だがみずみずしく音楽を歌い上げるスタイルを特色とした。

[岩井宏之]

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世界大百科事典(旧版)内のブリームの言及

【リュート】より

…しかし,リュート独特の上品な哀愁を帯びた優雅な音色(ちなみに弦はかつては羊腸,いまは多くナイロンを用いる),かつて栄えた約250年間にわたる価値高いレパートリーの魅力は,現代に至って見直され,全般的な古楽復興の波に乗って,新たな光を当てられるようになった。20世紀におけるリュート復興の功労者ゲルビッヒWalter Gerwig(1899‐1966),ギターの名手でもあるブリームJulian Bream(1933‐ )のほか,現在ではいく人ものリュート奏者が活躍している。 以上ヨーロッパ芸術音楽におけるリュートについて記したが,バルバットからウードの系統を引く楽器は,中近東をはじめ,東欧,アフリカなどで,今日も民族楽器としての盛んな生命を保っている。…

※「ブリーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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