改訂新版 世界大百科事典 「ブリーム」の意味・わかりやすい解説
ブリーム
Julian Bream
生没年:1933-
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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イギリスのギター奏者、リュート奏者。ロンドン生まれ。初めピアノを学んだが、ギター愛好家だった父の手ほどきでギターに転じ、10代で早くも演奏活動に入る。スペインの名ギター奏者セゴビアの目にとまるほどの天分を示し、若くして世界的な名手の一人に数えられた。ルネサンス音楽にも関心をもち、リュートの研究と演奏に手を染め、この古楽器の権威となる一方、ジュリアン・ブリーム・コンソートを組織、16~17世紀のイギリス音楽の普及に尽力するなど多面的に活動。1965年(昭和40)初来日。大方のギター奏者と違ってギターにおぼれず、古典的な均整美を保持しつつ控えめに、だがみずみずしく音楽を歌い上げるスタイルを特色とした。
[岩井宏之]
…しかし,リュート独特の上品な哀愁を帯びた優雅な音色(ちなみに弦はかつては羊腸,いまは多くナイロンを用いる),かつて栄えた約250年間にわたる価値高いレパートリーの魅力は,現代に至って見直され,全般的な古楽復興の波に乗って,新たな光を当てられるようになった。20世紀におけるリュート復興の功労者ゲルビッヒWalter Gerwig(1899‐1966),ギターの名手でもあるブリームJulian Bream(1933‐ )のほか,現在ではいく人ものリュート奏者が活躍している。 以上ヨーロッパ芸術音楽におけるリュートについて記したが,バルバットからウードの系統を引く楽器は,中近東をはじめ,東欧,アフリカなどで,今日も民族楽器としての盛んな生命を保っている。…
※「ブリーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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