日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビラ・ロボス」の意味・わかりやすい解説
ビラ・ロボス
びらろぼす
Heitor Villa-Lobos
(1887―1959)
ブラジルの作曲家。リオ・デ・ジャネイロ生まれ。アマチュア音楽家であった父に音楽の手ほどきを受け、1899年の父の死後、映画館やカフェでチェロを弾く生活を送る。ほとんど独学で作曲法を身につける一方、18歳のときからブラジル全域に旅して民謡を収集、研究し、個性的な作品を書き始めた。奨学金を得て1923~30年パリに留学、同地で大成功を博し国際的名声が広まる。帰国後音楽教育の責任者に任じられ、45年にはブラジル音楽アカデミーを創立。14曲の『ショーロ』(1920~28)や九曲の『ブラジル風のバッハ』(1930~45)のような特殊な楽器編成のために書かれたものや、ギター曲をはじめあらゆるジャンルに多数の作品があり、野性的リズムや民謡風の旋律など民族的要素と、西欧の伝統的形式を融合させた独創的な作風をみせている。
[益山典子]