ビラロボス

デジタル大辞泉 「ビラロボス」の意味・読み・例文・類語

ビラ‐ロボス(Heitor Villa-Lobos)

[1887~1959]ブラジル作曲家。国内各地の民謡収集・研究し、民族音楽ヨーロッパ音楽を融合した作風確立した。作品に「ブラジル風バッハ」など。

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百科事典マイペディア 「ビラロボス」の意味・わかりやすい解説

ビラ・ロボス

ブラジルの作曲家。リオ・デ・ジャネイロに生まれ,アマチュア音楽家でもあった歴史学者の父に6歳から音楽の手ほどきを受ける。10代半ばで作曲に手を染め,終生敬愛の対象となったJ.S.バッハをはじめ,多くの作曲家の作品を独学で研究。劇場オーケストラのチェロ奏者を経て1905年からブラジル国内を広く旅し,各地の民俗音楽を知る。交響詩《ミレミス》(1917年。のちバレエ音楽アマゾナス》に改訂)などで民族的語法に立脚した独自の作風を確立。1910年代後半にはブラジル滞在中のミヨールビンステインと出会い,1923年渡欧。パリを拠点にヨーロッパの音楽家と親交を深め,作曲家として名声を高めた。1930年に帰国後はブラジル音楽界の指導者として活躍し,1942年には国立音楽院を設立。指揮者としても活躍した。作品は,12の交響曲(1916年−1957年),17の弦楽四重奏曲(1915年−1957年),各種の協奏曲,《12の練習曲》(1929年)などのギター曲,《赤ちゃんの一族》(1918年−1926年)などのピアノ曲,さまざまな編成を用いた《ショーロス》(1920年−1929年)と《ブラジル風のバッハ》(1930年−1945年)のシリーズ,七つのオペラなど膨大な数に上り,その全体像は日本ではまだ知られていない。→セゴビアハーモニカヒナステラ

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改訂新版 世界大百科事典 「ビラロボス」の意味・わかりやすい解説

ビラ・ロボス
Heitor Villa-Lobos
生没年:1887-1959

ブラジル近代の代表的作曲家。父にチェロを学ぶ。18~25歳の頃,ブラジル中を旅し,各地の民俗音楽に接したことが,後に,西洋音楽とブラジル音楽の融合を図るきっかけとなる。1915年以降,自作演奏会を定期的に開き,少しずつ才能が認められ,23年援助を受けて渡欧。パリの芸術家と交わり,新たな刺激を受ける。30年にリオ・デ・ジャネイロに帰ってからは,国立音楽院(1942),音楽アカデミー(1945)を設立し,指揮者としても活躍した。また彼の国民主義的傾向は,ショーロやギターの作品,《ブラジル風のバッハBachianas brasileiras》と題された管弦楽曲,ピアノ曲,合唱曲,室内楽曲などの連作(1930-45)に顕著に表れている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビラロボス」の意味・わかりやすい解説

ビラ・ロボス
びらろぼす
Heitor Villa-Lobos
(1887―1959)

ブラジルの作曲家。リオ・デ・ジャネイロ生まれ。アマチュア音楽家であった父に音楽の手ほどきを受け、1899年の父の死後、映画館やカフェでチェロを弾く生活を送る。ほとんど独学で作曲法を身につける一方、18歳のときからブラジル全域に旅して民謡を収集、研究し、個性的な作品を書き始めた。奨学金を得て1923~30年パリに留学、同地で大成功を博し国際的名声が広まる。帰国後音楽教育の責任者に任じられ、45年にはブラジル音楽アカデミーを創立。14曲の『ショーロ』(1920~28)や九曲の『ブラジル風のバッハ』(1930~45)のような特殊な楽器編成のために書かれたものや、ギター曲をはじめあらゆるジャンルに多数の作品があり、野性的リズムや民謡風の旋律など民族的要素と、西欧の伝統的形式を融合させた独創的な作風をみせている。

[益山典子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビラロボス」の意味・わかりやすい解説

ビラ=ロボス
Villa-Lobos, Heitor

[生]1887.3.5. リオデジャネイロ
[没]1959.11.17. リオデジャネイロ
ブラジルの作曲家。チェロ奏者であったが,1905年からブラジル民謡の収集を始め,現代音楽のなかに民族性を取入れた。 07年 F.ブラガの弟子となり,23~29年パリに滞在,30年以降サンパウロ市の音楽視学官,ブラジル各地の管弦楽団,合唱団の指揮者をつとめ,また学校用に民謡集を完成した。 45年ブラジル音楽アカデミーを創設,44~49年にはアメリカ,ヨーロッパを旅行。オペラ,バレエ音楽,交響曲を含む 2000曲以上を残した。 1920~29年に作曲した連作 14曲は,ブラジル民謡舞踊曲に基づいたもので『ショーロス』と呼ばれる。

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