改訂新版 世界大百科事典 「ブルウキモ」の意味・わかりやすい解説
ブルウキモ
bull kelp
Nereocystis luetkeana (Mert.) Post.et Rupr.
長さが25~35mにも及ぶ長い円筒状,ひも状の茎の先に,直径15cmにもなる球形の大きい気胞があり,さらにその上部に数mに及ぶコンブ様の長い葉を多数つける褐藻綱コンブ科の海藻。アメリカ太平洋沿岸からアレウト列島にかけて分布する。低潮線下に生育し,幼時はコンブ類の幼体と似た形状であるが,生長につれて茎が長く伸長し,また葉と茎の境界部が特別に分化して気胞となり,これにより体は海中に直上する。気胞中には種々のガスが混在し,その容積は3lに及び,一酸化炭素を含むことが知られる。生活史はコンブ型で,葉の表面に形成された遊走子が泳ぎ出て,岩などについて発芽し,微細な雌雄の配偶体となり,ここにできた卵と精子が合体した受精卵が発芽するとブルウキモの藻体となる。
執筆者:千原 光雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報