プリスキアヌス(その他表記)Priscianus Caesariensis

改訂新版 世界大百科事典 「プリスキアヌス」の意味・わかりやすい解説

プリスキアヌス
Priscianus Caesariensis

6世紀のローマの文法学者。生没年不詳。北アフリカの出身。コンスタンティノープル教鞭をとる。主著の《文法教程》全18巻は最も詳細なラテン語の文法書である。それまでの文法書が取りあげなかった構文論に2巻を割いているのが大きな特徴である。本の構成および記述はアポロニオス・デュスコロスとその息子ヘロディアノス共著《ギリシア語文法論》に多くを負っている。キケロ,ウェルギリウス,ホラティウスら古典期の作家の文例を豊富に収録し,中世を通じて広範囲にわたって利用された。ドナトゥスの文法書では解決しない問題についてはとくに利用価値が高かった。ほかに,韻律アクセントに関する小論,アナスタシオス帝賛辞などの著作がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プリスキアヌス」の意味・わかりやすい解説

プリスキアヌス
Priscianus Caesariensis

6世紀初頭に活躍したローマの文法学者。マウレタニアのカエサレア出身。現存する主著『文法教程』 Institutiones Grammaticae (18巻) はラテン語古典文法を後世に伝える重要な典拠となった。

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