日本大百科全書(ニッポニカ) 「プレイアード詩派」の意味・わかりやすい解説
プレイアード詩派
ぷれいあーどしは
La Pléiade
七星(しちせい)詩派、スバル派ともいう。16世紀後半、フランス、ルネサンス期に、ロンサールを首領として、保守的な宮廷詩人に対抗して新しい詩の運動を展開した詩人集団。プレヤデス星団になぞらえて7人の詩人が選ばれているが、その顔ぶれは三度変わっている。ロンサール、デュ・ベレー、チアールPontus de Tyard(1521―1605)、バイフ、ジョデルの5人は定着しているが、あとの2人は、1553年にはデ・ゾーテルとペリューズ、55年から56年にかけてはペルチエJacques Peletier(1517―82)とベロー、63年以後はドラJean Dinemandi Dorat(1508―88)とベローとなっている。プレイアード詩派の主張はデュ・ベレーの『フランス語の擁護と顕揚』Défense et illustration de la langue française(1549)に詳しい。この著は二部に分かれ、第一部ではフランス語がギリシア語やラテン語に比べて劣るものではないことを強調し、第二部では具体的な問題として詩形、脚韻、語法が論じられている。その実践的な成果は、ロンサールとデュ・ベレーによって開花した。
[窪田般彌]
『Y・ベランジェ著、高田勇他訳『プレイヤード派の詩人たち』(白水社・文庫クセジュ)』