改訂新版 世界大百科事典 「プレヤデス星団」の意味・わかりやすい解説
プレヤデス星団 (プレヤデスせいだん)
Pleiades star cluster
おうし座にある散開星団。数百個の星々が集まったもので,6個の明るい星は肉眼でも見ることができる。ギリシア神話のプレイアデス(アトラスとプレイオネの7人の娘)にちなんで命名されたもので,この6個の星には,ギリシア神話の7人姉妹の名まえがつけられている。一つ星が足りないのは流れ星になったのだという伝説がある。〈すばる(昴)〉ということばは清少納言の書いた《枕草子》にも出ているように古くから親しまれている日本名である。この星団の星々は数千万年前に誕生したもので,非常に若々しい青白い星々が多い。星団内部には,星々が誕生したころの星間塵が残っており,星の光を反射してメローペ星雲Merope Nebulaなどの反射星雲として輝いている。距離が408光年と近いので,2°×2°にも広がっている。そのため,望遠鏡の倍率を低くしないと星団全体を見ることができない。
執筆者:磯部 琇三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報