日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボアチュール」の意味・わかりやすい解説 ボアチュールぼあちゅーるVincent Voiture(1597―1648) フランスの作家。サロン文学の創始者といわれる。ランブイエ夫人のサロンでその才気によって中心的存在となった。優雅で気の利いた書簡、軽妙洒脱(しゃだつ)な詩によって時代の寵児(ちょうじ)となった。これらは女性に対するみやび(préciosité)な礼法の模範とされ、また洗練された文体により、バロック的な誇張を一掃するのに貢献した。アカデミー会員。死後『作品集』(1650)が出版され多く版を重ねた。[福井芳男][参照項目] | ランブイエ夫人 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボアチュール」の意味・わかりやすい解説 ボアチュールVoiture, Vincent [生]1597.2.24. アミアン[没]1648.5.26. パリフランスの詩人,書簡文作家。低い身分の出身ながら,もちまえの才覚で国王の司厨長にまで出世。 1625年からランブイエ侯爵夫人のサロンの常連となり,遊びと会話の中心人物としてもてはやされた。その書簡文は,感情と機知,情熱と風刺を結びつける方法の模範で,プレシオジテの文学的表現の典型。ソンネ『ユラニー』 Uranieなどの詩は文学論争を引起した。全集 (1649) がある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by