プレセニリン(読み)ぷれせにりん(英語表記)presenilin

知恵蔵 「プレセニリン」の解説

プレセニリン

アルツハイマー病に関連する遺伝子群の総称。14番目の染色体にあるプレセニリン‐1は、アルツハイマー病の普遍的な原因遺伝子である。1番目の染色体にはプレセニリン‐2という遺伝子も発見されているが、こちらの変異による病例は比較的少数であるらしい。このほかにも仲間の遺伝子が40種類以上存在すると推測され、これらプレセニリン遺伝子群の変異によりβアミロイド代謝異常が起こり、アルツハイマー病が発症するようだ。プレセニリン‐1、あるいはプレセニリン‐2の変異は、このたんぱく質蓄積を促し、老人斑を形成させる。さらに、神経細胞アポトーシスが誘導されることも発症機構の1つとなっているようだ。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android