プロトピン

化学辞典 第2版 「プロトピン」の解説

プロトピン
プロトピン
protopine

C20H19NO5(353.37).フマリンともいう.ケシ科中に広く見いだされるアルカロイド.日本産エンゴサク属Corydalis,コマクサDicentra pusilla,タケニグサMacleya cordateにも含まれる.融点208 ℃.密度1.399 g cm-3.λmax 293 nm(log ε 3.93).水,エーテルにほとんど不溶,クロロホルムに易溶.クリプトピンと同様,平滑筋弛緩,血圧低下,鎮静作用を示す.BrCN分解でN-メチル基を除くと,COとNHはトランスアンニュラー重合反応を起こして結合し,テトラヒドロベルベリン型となる.[CAS 130-86-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のプロトピンの言及

【ケマンソウ(華鬘草)】より

…冬は茎葉は枯れ,根株で越冬をする。根にはアルカロイドのプロトピンprotopineなどを含み,薬用植物としても扱われる。栽培は排水よく保湿性のある所が適し,半陰地でも育つが,日当りのよい所の方が花つきもよい。…

【タケニグサ】より

…全体に粉白を帯び,切ると橙黄色の汁が浸出する。この汁はプロトピンprotopineを主とするアルカロイドを含み,有毒。葉は互生し,大型で長さ30cmになる。…

【ムラサキケマン】より

…種子にはアリの好む付属体(カルンクル)があり,アリにより散布される。全草にプロトピンprotopineなどのアルカロイドを含み,有毒。中国では,殺虫剤あるいはタムシなどの外用薬として用いる。…

※「プロトピン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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