プロビタミンD(読み)ぷろびたみんでぃー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロビタミンD」の意味・わかりやすい解説

プロビタミンD
ぷろびたみんでぃー

紫外線照射によってビタミンD活性を発現する物質をいう。多種類のプロビタミンなかで生物効力が高いのはプロビタミンD2とD3である。前者エルゴステロールで、キノコ類、酵母に多く含まれる。後者動物体内でのコレステロール生合成の最終中間体の一つである7‐デヒドロコレステロールで、皮膚に多く存在し、そこで紫外線によりビタミンD3に転換される。このものは動物にとってとくに重要である。

[菅野道廣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 ビタミンD3

世界大百科事典(旧版)内のプロビタミンDの言及

【くる病(佝僂病)】より

…ビタミンDは卵黄,魚,肉,肝臓,バターなどに多く含まれており,また市販のミルクには必要量が添加されているので,ミルクをよく飲む子どもや幼児・学童で普通の食事をとっている子どもはDやカルシウム,リンの欠乏をきたすことは少なく,くる病となる子どもは最近著しく減少している。
[日光浴とくる病]
 日光の紫外線は動物体内のプロビタミンDを活性化してビタミンDに変える作用があるので,日光浴はくる病の予防に効果がある。日照時間の少ない北欧やイギリス(このために,くる病は〈イギリス病〉ともいわれる),日本では東北,北陸地方でとくにくる病の発生率が高いのはこのためである。…

※「プロビタミンD」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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