プロピオン菌(読み)ぷろぴおんきん(その他表記)propionic bacteria

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロピオン菌」の意味・わかりやすい解説

プロピオン菌
ぷろぴおんきん
propionic bacteria

糖質有機酸からプロピオン酸を生成する細菌スイスチーズから初めて分離されたもので、このチーズの熟成とかかわりをもっている。プロピオニバクテリウムPropionibacteriumが代表的な属である。グラム陽性の桿(かん)菌で、通常はさまざまな形態をとる。胞子形成はなく、運動性もない。発酵生産物としてはプロピオン酸のほかに酢酸がある。また、少量ではあるが、イソバレリル酸、ギ酸コハク酸、乳酸、二酸化炭素などもつくる。偏性嫌気性の細菌で、無酸素の環境下で生育する。

[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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