飽和脂肪酸の一つ。プロピオニトリル(プロパンニトリル)を加水分解するか、1-プロパノール(プロピルアルコール)を酸化すると得られる。水とよく混じり合うが、ギ酸や酢酸と異なり、塩析すると油状物として分離する。エタノール(エチルアルコール)、エーテルと任意の割合で混じり合う。エステル化剤として有機合成に用いられるほか、カルシウム塩、ナトリウム塩はカビ防止剤として用いられる。反芻(はんすう)動物は、第一胃中での細菌発酵により、セルロース・糖質をプロピオン酸に変えてエネルギー源としている。
[廣田 穰 2015年7月21日]
propanoic acid.C3H6O2(74.08).C2H5COOH.乳製品に含まれ,生体内では糖質からピルビン酸,スクシニルCoAを経て合成される.プロピオンアルデヒドの酸化,プロピオノニトリルの加水分解,あるいはレッペ反応を利用して,エテン,一酸化炭素および水蒸気から得られる.刺激臭をもつ無色の液体.融点-21.5 ℃,沸点141.1 ℃,65.8 ℃(5.3 kPa).0.99336.1.3848.Ka 1.22×10-5(25 ℃).水,アルコール類,エーテル,クロロホルムなどに可溶.食品添加物,農薬,医薬,香料,合成原料に用いられる.[CAS 79-09-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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