ヘリホル(その他表記)Herihor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘリホル」の意味・わかりやすい解説

ヘリホル
Herihor

前 11世紀初期に活躍した古代エジプトの神官クシュ総督出自など不明だが,第 20王朝のラムセス 11世時代末期の動乱に乗じて軍内部で昇進し,アモン神の高級神官,軍司令官となったと思われる。ヌビアの副王をテーベから追放権力を握り,ラムセス 11世を完全に無視して神殿前庭でファラオ (王) の称号を名のった。ラムセスより先に死んだが,王号は息子たちに受継がれ,彼らはラムセス死後,テーベに神政国家を築いた。

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世界大百科事典(旧版)内のヘリホルの言及

【エジプト】より

…対外的には危機を脱するが,国内では神殿への富の集中,神官職の世襲化,外人傭兵の増大,官僚の汚職など状況は悪化し,ラメセス3世を継いだ4世から11世までの同名の王の間に王権は急速に衰え,アジア植民地は失われ,経済力も低下した。傭兵と神官のみ勢力を増大,ついにアメン大司祭ヘリホルHerihorが王位を奪取する(前1070ころ)。
[末期王朝時代]
 ヘリホルと同じころデルタのタニスで将軍スメンデスSmendesが即位,第21王朝を開く。…

※「ヘリホル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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