ファラオ(読み)ふぁらお(英語表記)pharaoh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファラオ」の意味・わかりやすい解説

ファラオ
Pharaoh

古代エジプトの王をさす称号エジプト語 per-`O(per-ao)のヘブライ語 (のちにギリシア語) 形。元来「大いなる家」すなわち王の宮殿を意味した。第 18王朝 (前 1567~1320) 以降,王の称号として用いられるようになり,第 22王朝 (前 945頃~715頃) 以降はこの称号と王の名とが並び用いられ,たとえば「ファラオ・ネコ」のように併記されるようになった。しかし王の称号としては,ホルス名,ネブティ名,太陽の子名,上下エジプトの王名,黄金のホルス名があり,ファラオは上エジプトの白冠,下エジプトの赤冠,両者を組合せた二重王冠,青冠,ネメスという独特のかぶりものをつけ,手には上下エジプトを象徴する王笏を持った。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファラオ」の意味・わかりやすい解説

ファラオ
ふぁらお
pharaoh

古代エジプトの王のこと。古代エジプト語のペルオPer-oに由来するギリシア語。ペルオはもとは大いなる館すなわち王宮をさすことばであったが、第18王朝のトゥトメス3世が王をさすことばとして用いて以来、それが習慣化した。トゥトメス3世以前の王、したがって古王国時代の王も今日ではこの用語でよぶ。王は五つの称号をもっていて、そのなかの個人に関係する二つの称号(即位名、誕生名)はカルトゥシュ(楕円(だえん)形の枠)の中に記された。

[酒井傳六]

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