ヘンミー(読み)Hemmij,Gijsbert

朝日日本歴史人物事典 「ヘンミー」の解説

ヘンミー

没年寛政10.4.24(1798.6.8)
生年:1747.6.16
江戸後期のオランダ商館長。アフリカ喜望峰生まれ,父親もオランダ東インド会社社員。寛政4(1792)年に出島商館長となり,欧州戦乱期で蘭船来航の少ない中,対日貿易改善に努力した。同6年と同10年に江戸参府。2度目の参府帰路,掛川(静岡県)で病没,同地の天然寺に葬られた。法名通達法善居士。異常な事態ゆえ,死因として島津重豪との密貿易発覚による自殺説が唱えられたこともある。オランダ側は墓の維持のための寄進墓参を行った。最初の参府の際,江戸で対談した大槻玄沢は,その風貌を「板歯脱ケタリ常ニ眼鏡ヲ用ユ」(『西賓対晤』)と記しているが,ふたりの遊女を愛し,日本の音曲を好む一面もあった。<参考文献>庄司三男「和蘭商館長ヘースベルト・ヘンミイ」(『蘭学資料研究会研究報告』118号),沼田次郎「天然寺所蔵和蘭甲比丹ヘンミイ関係史料」(『歴史地理』91巻3号)

(鳥井裕美子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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