ベケシー(読み)べけしー(英語表記)Georg von Békésy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベケシー」の意味・わかりやすい解説

ベケシー
べけしー
Georg von Békésy
(1899―1972)

アメリカの物理学者、生理学者。ハンガリーのブダペストに生まれる。ベルン大学で化学を学び、1923年ブダペスト大学で学位を取得。その後1946年までハンガリー電話研究所に勤め、その間1939年からはブダペスト大学で実験物理学を教えた。1946年ハンガリーを去ってスウェーデンに1年滞在、1947年アメリカに渡ってハーバード大学精神生理学の特別研究員となり、1966年からハワイ大学教授。遠距離通話の問題の研究から耳の音響伝達に関する研究を始め、聴力測定器などを開発、さらに蝸牛(かぎゅう)神経の研究を進め、1961年に「蝸牛殻内刺激の物理的機構に関する発見」によりノーベル医学生理学賞を受賞した。

[大鳥蘭三郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ベケシー」の意味・わかりやすい解説

ベケシー

ハンガリー出身の米国の生理学者。ベルン大学卒業後,ブダペストの国立電話研究所で研究。第2次大戦後は米国のハーバード大学教授。聴覚の研究により1961年ノーベル生理医学賞。これは造船の船型実験で用いる相似則を応用して内耳蝸牛(かぎゅう)の模型を作り,基底膜上に特有な様式の進行波の存在を発見,音の周波数大小に応じて膜上の振幅最大部の位置がきまり,これが安定した音波の分析装置として働くことを解明したもの。さらに蝸牛神経の作用機構をも研究した。

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