実験物理学(読み)じっけんぶつりがく(英語表記)experimental physics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

実験物理学
じっけんぶつりがく
experimental physics

物理現象を実験によって研究し,現象の量的関係を求める物理学。実験の方法,原理,技術,装置の研究および理論の実験による証明などを研究対象とする。物理学は自然現象を説明する科学であるから実験研究は不可欠である。実験結果から得られた経験法則をもとにして一般的な基本法則を確立し,その法則から理論を構成する理論物理学対語である。理論の結果は実験により証明されなければならない。

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デジタル大辞泉の解説

じっけん‐ぶつりがく【実験物理学】

実験で得られた結果から物理法則を探求し、理論の正当性を確かめる物理学の一分野。→理論物理学

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百科事典マイペディアの解説

実験物理学【じっけんぶつりがく】

実験的研究を主とする物理学。理論物理学とともに物理学を2範囲に分ける。個々の実験から現象の量的関係を推定し,理論を検証し,またそれらに必要な実験装置を設計・製作し,実験方法を研究する。→思考実験

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

実験物理学
じっけんぶつりがく
experimental physics

研究方法による物理学の分類の一つで、実験や観測に重点をおく物理学の分野。個々の実験・観測から現象間の量的関係を推定して、新たな法則の発見や理論の検証を行う。また、それらに必要な実験方法や実験装置を開発研究する。理論物理学と対比されることが多い。
 物理学において、実験と理論は車の両輪の関係にあり、理論の検証を目ざした実験が、新たな原理・法則を導くことが多くある。たとえば、エーテルの存在を確認するために計画されたマイケルソン‐モーリーの実験により光速度が一定であることがわかり、アインシュタインの特殊相対性理論につながった。また溶鉱炉の温度を正確に測定する際の、溶鉱炉からの光強度の実験式を説明するためにプランクが導入した量子の考え方は、まったく新しい量子力学を生み出した。一方、アインシュタインが一般相対性理論を宇宙に対して適用した当時、宇宙は永遠不変であると考えられていた。そこでアインシュタインは一般相対性理論の解によって宇宙が膨張や収縮をしないように、宇宙を一定の大きさにとどめる宇宙項を導入した。しかしその後ハッブルにより宇宙が膨張していることが観測され、宇宙項は破棄された。ところが最近の超新星の精密な観測により宇宙膨張の加速が観測され、逆に宇宙項が必要になってきた。このように実験・観測と理論は互いに影響し合いながら、物理の地平を広げている。[山本将史]

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精選版 日本国語大辞典の解説

じっけん‐ぶつりがく【実験物理学】

〘名〙 実験によって得られた結果から、法則性を導き、また、理論の正当性を判定する物理学の一部門。原子炉や原子核加速器などの大型装置から、顕微鏡観察などの簡単な装置に至るまで、種々の型の実験がある。⇔理論物理学。〔自然科学的世界像(1938)〕

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