ベズイミアン火山(読み)べずいみあんかざん(その他表記)Вулкан Безымянный/Vulkan Bezïmyannïy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベズイミアン火山」の意味・わかりやすい解説

ベズイミアン火山
べずいみあんかざん
Вулкан Безымянный/Vulkan Bezïmyannïy

ロシア連邦極東、カムチャツカ半島中東部のクリュチェフスカヤ火山群に属する安山岩質の成層火山標高2800メートル。1955年秋に有史以来初めて噴火を始め、山体がしだいに膨れ、翌56年3月大爆発で頂部が山体崩壊した。標高は285メートル低下した。そのU字形の馬蹄(ばてい)形カルデラの底に溶岩円頂丘溶岩ドーム)が新たに生じた。この噴火様相は1980年5月にアメリカ合衆国のセント・ヘレンズ火山でおきた山体崩壊に伴うものに酷似していた。火山名は「無名」の意。以後、毎年のように噴火を反復している。爆発型噴火が特徴であるが、溶岩流火砕流火山泥流も生じやすい。

諏訪 彰・中田節也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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