ベダリアテントウ

百科事典マイペディア 「ベダリアテントウ」の意味・わかりやすい解説

ベダリアテントウ

テントウムシ科の甲虫。オーストラリア原産だが,ミカン類の害虫イセリアカイガラムシ天敵として40数ヵ国で輸入されている。体長4mm内外,赤だいだい色,黒紋がある。年数回発生し,幼虫で越冬する。日本には1911年に台湾から静岡県に輸入された。
→関連項目テントウムシワタフキカイガラムシ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベダリアテントウ」の意味・わかりやすい解説

ベダリアテントウ
Rodolia cardinalis; Vedalia beetle

鞘翅目テントウムシ科。体長 3.5~4mm。体は半球形,橙赤色で,前胸背後部,上翅縫合線上の縦条および各翅の前後にある斑紋は黒い。背面は黄白色の微毛におおわれる。下面は大部分黒色で,腹部周縁は広く橙赤色である。肢の腿節は大部分が黒色。オーストラリア原産であるが,ワタフキカイガラムシ (→カイガラムシ ) の有力な天敵で世界各地に導入された。日本にはアメリカ合衆国から導入されて定着した。本州,四国,九州,台湾などに広く分布している。

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世界大百科事典(旧版)内のベダリアテントウの言及

【甲虫】より

…甲虫目(鞘翅(しようし)目)に属する昆虫の総称。この名は学名のColeoptera,英名のbeetle,ドイツ名のKäferに対して,明治時代に甲翅虫と訳されたものから甲虫となった。また上翅(前翅)が鞘状となって背面を覆うことから,専門語として鞘翅目(鞘翅類)と呼ばれるようになった。甲虫は昆虫界最大のグループ(目)で既知種の約4割を占め,世界から約30万種,日本から8000種あまりが知られる。小さいものは0.3mmにみたないが,大きいものは10cmを超える。…

【天敵】より

… 天敵を人間が利用した最初はおそらくネズミの駆除のためにネコを飼うことだったと思われるが,本格的な利用は農林業を中心として進められている。農作物害虫の防除に天敵を導入する試みがアメリカ合衆国におけるイセリヤカイガラムシに対するベダリアテントウで大きな成功を収めて以来,そうした手法は生物的防除と呼ばれ,主として昆虫を材料に広く研究されるようになった。これまで農作物害虫などの生物的防除に成功している天敵は,特定の害虫だけを攻撃する寄生バチや寄生バエがほとんどである。…

【テントウムシ(天道虫)】より

…しかし多くの種類は食肉性で,アブラムシ類を食べるナミテントウ,ナナホシテントウCoccinella septempunctata(イラスト),カイガラムシ類を食べるヒメアカホシテントウChilocorus kuwanaeなどはその代表的な種である。ベダリアテントウRodolia cardinalisは果実の害虫イセリアカイガラムシを食するため,天敵としてオーストラリアから輸入され,今日では本州以南に広く分布する。白渋病菌を食べる種類としてシロジュウニホシテントウ(シロホシテントウ)Vibidia duodecimguttata,ジャガイモやナスの葉を食べる種類としてはニジュウヤホシテントウHenosepilachna vigintioctopunctata(イラスト)などがあげられる。…

※「ベダリアテントウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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