日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベニボタル」の意味・わかりやすい解説
ベニボタル
べにぼたる / 紅蛍
[学] Lycostomus modestus
昆虫綱甲虫目ベニボタル科に属する昆虫。日本各地のほか千島列島、中国にも分布する。体長9~14ミリ。体は長めで平たく、後方へ広がる。黒褐色で上ばねは暗色であるが赤い短毛を密生し、各四隆条をもち、間はしわ状。頭は吻(ふん)状に伸びる。成虫は夏季に山地の花上に多くみられる。
ベニボタル科Lycidaeは広く世界各地に分布し、小形から中形の軟弱な体をもつ平たい甲虫で、約3500種が知られており、日本からは約100種が記録されている。体は多少とも平たくて長く、普通、後方へ広がり、上ばねには3、4条の隆条があって間が格子状から網目状のことが多く、前胸背面もしばしば数室にくぎられる。成虫は樹葉上や花上にみられるが、幼虫は肉食らしく、樹皮下や朽ち木、落葉中から発見される。
[中根猛彦]