日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルワルト」の意味・わかりやすい解説
ベルワルト
べるわると
Franz Adolf Berwald
(1796―1868)
スウェーデンの作曲家、バイオリン奏者。ストックホルムの音楽家の家系に生まれ、幼少より演奏活動で名をなし、後年ウプサラ大学音楽監督や宮廷楽長を務めた。ベルリンでメンデルスゾーンと親交を結んだりベートーベンの影響を残すなど、創作活動では外の刺激を積極的に受け入れる一方で、独自の様式をつくりあげ、近年世界的に再評価されている。転調の多用、簡潔で透明感あふれるテクスチュア(音構成原理)を特徴とする室内楽曲、管弦楽曲、オペラなどを主として1840年代に作曲した。彼はまた、論客でしかも実業家としても手腕を発揮し、整形外科器具の発明やガラス工場経営で成功した。代表作は、五つの交響曲、ピアノ協奏曲、七重奏曲。
[山口 修]
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