インド南部、カルナータカ州の州都。2014年、バンガロールからカンナダ語のベンガルールに改称した。人口429万2223(2001)、849万5492(2011センサス)。州南東端の標高940メートルのデカン高原上に位置するため、北緯13度付近にありながら、年平均気温は23.6℃で、南インドでもっとも快適な環境を有する都市である。市の歴史は新しく、1537年地方領主ケンペ・ゴウダKempe Gowda(1510―1569)が城下町として建設したのに始まる。17世紀初頭にはマラータ人のボーンサラの領地となり、1687年マイソールのヒンドゥー教徒領主の手に渡った。さらに1758年にイスラム教徒のハイダル・アリーに移譲されたが、1791年にはイギリスが侵攻、1799年にイギリス保護下のヒンドゥー教徒の藩王領となった。1831~1881年の間、イギリスが直接支配権をもち、軍事・行政の拠点を築いたが、その後、支配権は藩王の手に渡り独立まで続いた。
このように19世紀以降、イギリスの強い影響を受けたため、都市整備が行き届き、市街は緑の空間を多く取り入れ、公園都市とよばれている。また気候に恵まれていることから、インド科学研究所(1911設立)、ラーマン科学研究所(1943設立)、独立後に設立された中央政府系研究所、州立総合大学、農業大学などをもち、南インド最大の学術研究都市となっている。こうした技術研究を背景に、20世紀に入って工業化が進み、国営航空機工場、国営機械器具工場をはじめ、化学・機械関係工業などが集中している。
[中山修一]
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