普及版 字通 の解説
4画
[字訓] しかばね・おおう
[説文解字]
[字形] 象形
乏(ぼう)の反文。乏は屍体の象。水に泛(う)かぶものを泛、土に埋めるものを(へん)という。〔説文〕九上に「見えざるなり。壅(ようへい)するの形に象る」とし、〔伝〕に「左右壅して、面たざるなり」とその意象を説くが、字は乏の反文にして、屈肢の象を示す字である。〔周礼、夏官、射人、司農注〕に「容とは乏なり。(矢のあたり)を待つの(かく)るるなり」とあるのによって、〔段注〕に、その獲する者の匿れるところの乏の意であるとするが、・乏は対文、いずれも屍体の状を示す象形の字である。
[訓義]
1. しかばね。
2. おおう、かくれる。
3. 獲する者が、矢を避けるところ。
[部首]
〔説文〕〔玉〕ともにこの部に属する字はない。〔玉〕に「・(めん)の字之れに從ふ」とするが、(賓)の従うところはで、犠牲の下体を供えて霊を迎える意。はまたに作る形声の字である。
[声系]
〔説文〕に声として眄・・・など五字、(べん)声としての字を収める。は〔説文〕十一上に水名とするが、おそらく泛と同じく流屍を示す字。は瞑眩(めんげん)の瞑と同声であるという。は卜文・金文にまたに作り、万は犧(犠)の羲の左下と同じく牲体の下半の形。の声義を考うべきものは眄・の二字にすぎず、眄は「見えざるなり」の義の繁文とみてよい。
[語系]
myn、宀・mian、また敝・biatも声義の近い字で、宀・は神聖なものを覆う意。も呪霊のあるものとしておそれられたのであろう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報