日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペイアン」の意味・わかりやすい解説
ペイアン
ぺいあん
Anselme Payen
(1795―1871)
フランスの化学者。ビールの醸造過程における化学変化を研究し、オオムギの麦芽の浸出液にアルコールを加えて沈殿させたものを乾燥して得た白色の粉末が、麦芽と同じようにデンプンをデキストリンに変化させる能力があることを、共同研究者ペルソーとともに1833年に発見した。これが最初の酵素の発見といわれる。彼らはこの物質をジアスターゼと命名した。これはギリシア語で「分離」という意味で、水に溶けないデンプンから可溶性の糖を分離したことからの命名である。のちにアミラーゼとよばれるようになった。ジアスターゼという語は一時期、酵素一般をさす語として使われた。
[宇佐美正一郎]
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