ジアスターゼ(読み)じあすたーぜ(英語表記)diastase

翻訳|diastase

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジアスターゼ」の意味・わかりやすい解説

ジアスターゼ
じあすたーぜ
diastase

デンプン分解酵素剤で、アミラーゼの日本薬局方名。麦芽から製したもので、α(アルファ)-アミラーゼ、β(ベータ)-アミラーゼを含み、デンプンを分解してマルトースデキストリンにする。消化酵素剤として繁用されており、消化不良、食欲不振に健胃散や炭酸水素ナトリウム重曹)などの制酸剤と配合して用いられる。高峰譲吉の創製した「タカジアスターゼ」は米麹(こめこうじ)菌から抽出されたもので、アミラーゼのほかにタンパク分解酵素をも含む。ジアスターゼ製剤には、ジアスターゼ重曹散、複方ジアスターゼ重曹散、複方ロートエキス・ジアスターゼ散などがある。

[幸保文治]

『飯沼信子著『高峰譲吉とその妻』(1993・新人物往来社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジアスターゼ」の意味・わかりやすい解説

ジアスターゼ
diastase

デンプン分解酵素が A.ペイアンと J.ペルソによって最初に麦芽から抽出された際 (1833) ,これに与えられた名。酵素の初期の研究史で主要なものの一つであり,また酵素名の語尾にアーゼ-aseをつける慣行は,ここから始っている。タカジアスターゼは,コウジカビから得たジアスターゼ製品に,高峰譲吉の名前を組合せた命名。ジアスターゼの主体はアミラーゼであることが明らかとなり,ジアスターゼの名は,現在では歴史的なものとなった。

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