改訂新版 世界大百科事典 「ペシネー会社」の意味・わかりやすい解説
ペシネー[会社]
Pechiney S.A.
フランスの非鉄金属企業。アルミニウムの生産では世界で第4位を占める。本社パリ。前身は,1855年に設立され,59年に電解法によるアルミ製錬の企業化に世界で初めて成功したアレー社Cie.de produits chimique et éléctrométallurgiques Alais,Froges et Camargue(この社名は1921年より)で,1955年にPechiney S.A.となった。71年には特殊鋼・化学品メーカーのユジーヌ・クールマン社Ugine Kuhlmannと合併し,ペシネー・ユジーヌ・クールマン社Pechiney Ugine Kuhlmann(PUKと略称)となった。その後82年になってミッテラン政権により国有化された。しかし化学,金属部門の赤字が大きいため,アルミニウムと非鉄金属部門に力を注ぎ,83年には現在の社名に改称した。95年国営から民営に移行した。カナダのアルキャン・アルミニウム,アメリカのアルコア,レーノルズ・メタルズ,カイザー・アルミニウム,スイスのアルスイスの各社と並ぶ地位を占め,ボーキサイト採掘からアルミナ生産,地金製錬まで行っている。アルミ缶でも世界最大級。売上構成は,アルミニウム部門33%,包装(飲料缶,食品・医薬品・化粧品)33%,国際取引(アルミ,卑金属)27%となっている。海外売上比率59%。売上高687億フラン(1995年12月期)。
執筆者:木村 栄宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報