ペタヤベシ聖堂(読み)ペタヤベシせいどう(その他表記)Petäjävesi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペタヤベシ聖堂」の意味・わかりやすい解説

ペタヤベシ聖堂
ペタヤベシせいどう
Petäjävesi

フィンランド中南部,ユベスキュレの西約 60kmに位置するペタヤベシに残る木造聖堂。 1763~64年,それまであった聖堂が火災で焼失した跡に建てられたものを基礎に,1821年改築されて現在の形となった。この聖堂の平面図は縦と横が同じ長さのギリシア十字形をなし,十字形の交差する部分はビザンチン風の八角形のボールトとなっている。外壁は木材を横にして組み上げる校倉造で,石造建築の技法を木造に応用したあとがうかがえる。また,1821年の改築時には同じ校倉造で別棟の鐘塔がつくられ,1843年には新たな祭壇も設けられた。しかし,その後手狭になったなどの理由から閉鎖され,1920年にオーストリアの建築家にその価値が見出されるまで長く忘れ去られていた。修復を機に聖人と天使の彫刻が施され,彩色された木製説教壇をはじめ素朴な木のぬくもりのある聖堂内部がよみがえり,最も保存状態のよい木造聖堂といわれるまでになっている。 1994年世界遺産の文化遺産に登録。

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