ほちほち(読み)ホチホチ

デジタル大辞泉 「ほちほち」の意味・読み・例文・類語

ほち‐ほち

[副]
一つずつ順を追って行うさま。
「物語り仕まつるを、かたへにて―書き付くれば」〈浮・万金丹・序〉
静かでしんみりとしているさま。
「あとへ残り、―話をしてゐる」〈洒・遊子方言
軽く物をはじく音を表す語。
算盤そろばんの玉を―物思ひ」〈若の浦〉

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精選版 日本国語大辞典 「ほちほち」の意味・読み・例文・類語

ほち‐ほち

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. 少しずつゆっくり行なうさま、一つずつ順を追ってするさまを表わす語。ほしほし。
    1. [初出の実例]「Fochifochito(ホチホチト) ヨム、または、foxifoxito(ホシホシト) ヨム」(出典日葡辞書(1603‐04))
  3. 静かでしんみりとしているさま、ひとり物思いにふけるさまなどを表わす語。ほしほし。
    1. [初出の実例]「月のゆふべ雪にむかってほちほちと 老去て鼠なに思ふらむ」(出典:俳諧・破邪顕正返答(1680))
  4. 軽く物をはじく音、また、小さいものが落ちたり、こわれたりする時にたてる音を表わす語。
    1. [初出の実例]「腹をほちほちとたたいてはらの皮を鼓にしてたたいて遊ぞ」(出典:玉塵抄(1563)一一)
    2. 「ほちほちとふる五月雨に軒口もはなしの口もくちはてにけり」(出典:狂歌・堀河百首題狂歌集(1671)夏)
  5. 飯が生煮えでしんのあるさまを表わす語。ほしほし。
    1. [初出の実例]「米釜中に在て〈略〉上半分ほどは、ほちほちとして、ついに半生の味をなす」(出典:随筆・孔雀楼筆記(1768)一)

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