ホラー小説(読み)ホラーしょうせつ(その他表記)horror story

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホラー小説」の意味・わかりやすい解説

ホラー小説
ホラーしょうせつ
horror story

恐怖小説。 1970年代のオカルトブーム,80年代のホラー映画ブームなどの影響を受けて,出版界でも文庫本によるホラー小説の刊行が盛んになった。ホラーブームのきっかけとなった映画『キャリー』の原作者,スティーブン・キングの『短編傑作集』 (全5巻) や,85年度世界幻想文学賞を受賞したクライブ・バーカーの『血の本』シリーズ (全6巻) などがある。都市化や環境整備が進み,人生そのものの合目的的化が進行するに伴い,身辺からは不合理,異常,怪異恐怖,さらには死そのものが見えにくくなった。その結果,逆にそれらに対する関心が怖いモノ見たさという次元で高まっているのかもしれない。かつて日本では,怪談が夏の風物の一つであったが,今では幽霊話よりも,現代人の異常心理がもたらす恐怖話がモダンホラーとして季節と無関係に読まれている。

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