佐藤栄作内閣(読み)さとうえいさくないかく

百科事典マイペディアの解説

佐藤栄作内閣【さとうえいさくないかく】

自由民主党単独内閣。(1)第1次。1964年11月9日〜1967年2月17日。池田勇人が病気退陣の後,全閣僚を留任させて発足。米国のベトナム政策を積極的に支持し,日韓会談を推進し14年間の交渉に終止符を打ち,またアジア太平洋閣僚会議参加などによりアジア進出を図った。ILO87号条約の批准,旧地主農地報償の実現など保守党の懸案を処理したが,池田前内閣の高度成長政策が破綻(はたん)をきたし企業倒産が激増,戦後初の赤字国債が発行され,また消費者物価が高騰した。1966年後半には保守長期政権にまつわる一連の汚職(〈黒い霧〉事件)が摘発され,閣僚の辞職にまで発展,年末に国会は解散。(2)第2次。1967年2月17日〜1970年1月14日。1967年1月の総選挙で自民党は初めて得票率50%を割ったがほぼ旧議席数を確保した。同年11月訪米した佐藤はジョンソン大統領と会談,1968年6月には小笠原諸島が返還された。1969年11月佐藤は再度訪米しニクソン大統領と会談,1970年以後の安保条約自動継続を前提に1972年沖縄返還をとりきめた日米共同声明を発表し,12月国会を解散した。(3)第3次。1970年1月14日〜1972年7月7日。1969年末の総選挙に自民党は300議席を確保,1970年6月の安保条約改定期には引き続き堅持との政府声明を発表した。同年10月の自民党大会で佐藤は総裁に4選され,引き続き政権を担当した。佐藤は1970年10月の国連25周年総会に出席したが翌1971年の総会では中国の国連招請が実現,1972年2月にはニクソン米大統領の訪中があり,日中国交回復は最大の課題となった。また,施政方針で1970年代を〈内政の年〉としたが,高度経済成長をめざす輸出第一主義,GNP拡大主義は,国際的には円切上げとなり,他方,物価,公害等問題山積のまま,佐藤は1972年5月の沖縄返還をまち6月17日自民党総裁を辞任した。→佐藤栄作
→関連項目田中角栄田中角栄内閣二階堂進

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

佐藤栄作内閣
さとうえいさくないかく

1964年(昭和39)11月から1972年7月までの7年8か月に及ぶ長期政権で、連続在任期間は歴代内閣のなかで最長。高度成長の最盛期にスタートし、その終焉(しゅうえん)とともに任務を終えて退陣した。[伊藤 悟]

第一次

(1964.11.9~1967.2.17 昭和39~42)
池田勇人(いけだはやと)首相の病気引退を受けて、佐藤栄作、河野一郎、藤山愛一郎の3人が後継の座をめぐって争ったが、財界の強力な支持を得た佐藤が1964年11月9日自民党両院議員総会で後継首班候補に選ばれ、同日国会で指名された。官房長官を除く全閣僚、党役員が留任し池田政治の継承を掲げ、前内閣の残した懸案の処理にあたった。1965年4月ILO第87号条約批准、5月農地報償法案採決、12月日韓基本条約批准(6月調印)をそれぞれ強行した。また1966年12月の建国記念の日制定、1968年10月の明治100年祭実施、さらにアメリカのベトナム政策支持など、力を背景としたタカ派的特徴をもつ。[伊藤 悟]

第二次

(1967.2.17~1970.1.14 昭和42~45)
1966年末の「黒い霧」選挙を乗り切り、翌年2月第二次内閣発足。3月物価安定推進会議設置、7月公害対策基本法制定など、高度成長のひずみ解消に努める一方、小笠原(おがさわら)・沖縄返還交渉を進め、1968年6月小笠原返還を実現、1969年11月沖縄の「核抜き、本土並み」返還決定を実現した。しかし、経済政策は十分な成果が得られず、のちに問題を残した。[伊藤 悟]

第三次

(1970.1.14~1972.7.7 昭和45~47)
1970年6月日米安保条約自動延長、1971年6月沖縄返還協定調印を果たしたが、公害の噴出とドル・ショック、米中接近という時代の変化に対応しきれず、1972年6月17日退陣表明を行い長期政権にピリオドを打った。[伊藤 悟]
『細島泉著『保守支配の完成型としての佐藤内閣』(白鳥令編『保守体制 上』所収・1977・東洋経済新報社) ▽千田恒著『佐藤内閣回想』(中公新書)』

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