改訂新版 世界大百科事典 「ホンドリス」の意味・わかりやすい解説
ホンドリス (本土栗鼠)
Sciurus lis
ニホンリスともいう。齧歯(げつし)目リス科の哺乳類。本州,四国,九州に分布する樹上生のリスであるが,四国,九州には少なく,とくに九州では捕獲の記録はあるものの確実な生息地は知られていない。キタリス(エゾリス)に似るが,小さく,尾の先端の毛が白い点で区別される。体色は背側が冬毛では黒褐色,夏毛では淡褐色で,体側,四肢などが美しい橙黄色になる。腹側はいずれも純白である。北方にすむものほど体色に青みが強く,南のものでは赤みが強い。冬毛では耳介に長い房毛(ふさげ)が生える。体長19~23cm,尾長12~15.5cm。平地から海抜2700mくらいまでの森林にすむ。ふつう木の幹近くの枝上に小枝を編んで巣とし,昼間活動して,マツ,クルミ,ナラなどの種子のほか,木の芽,若葉,キノコ,昆虫などを食べる。交尾期は2~3月,雌は4~6月に2~6子を生む。
→リス
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報