日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボフラン」の意味・わかりやすい解説
ボフラン
ぼふらん
Gabriel-Germain Boffrand
(1667―1754)
フランス・ロココ様式を代表する建築家。ナント生まれ。初めジラルドンについて彫刻家として修業するが、まもなく建築に転向してアルドゥアン・マンサールに師事し、その協力者となった。1709年、建築アカデミー会員。彼は実に多くの作品を残したが、力量をよく発揮した代表作はパリのオテル・アムロ(1710)で、卵形の中庭を囲んで建てられ、各部屋の形状・寸法はそれぞれ異なるものである。外観はこの建築家固有の簡潔なデザインであるが、内部はきわめて豪華である。彼のもっとも洗練された屋内デザインはオテル・ド・スービーズ(現国立公文書館)の増築部分にみられる。『建築書』(1745)に彼の主要作品などがまとめられている。パリに没。
[濱谷勝也]
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