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意匠 イショウ

デジタル大辞泉の解説

い‐しょう〔‐シヤウ〕【意匠】

絵画・詩文や催し物などで、工夫をめぐらすこと。趣向。「舞台照明に意匠を凝らす」
美術工芸・工業製品などで、その形・色・模様配置などについて加える装飾上の工夫。デザイン。

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世界大百科事典 第2版の解説

いしょう【意匠】

工業生産物に,型や模様等を付し,人の嗜好に合うように工夫したものを指す。意匠を保護し,意匠の創作を奨励し,産業の発展を図ることを目的として制定された法律に意匠法(1959公布,60施行)がある。意匠の登録により発生する意匠権は,工業所有権一種であり,広くは無体財産権の一種とされている。同法によれば,意匠とは,物品の形状,模様もしくは色彩またはこれらの結合であって,視覚を通じて美感を起こさせるものをいう(2条1項)。

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大辞林 第三版の解説

いしょう【意匠】

工夫をめぐらすこと。趣向。 「 -を凝らす」
美術工芸品・工業製品などの形・色・模様などをさまざまに工夫すること。また、その結果できた装飾。デザイン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

意匠
いしょう

一般には装飾、図案などを意味し、英語のデザインdesignの訳語であるが、デザインという用語は、広く建築や公園のデザインというように造形活動に関する創作、設計案などを意味する場合にも用いられる。
 意匠に関して、法的には意匠法などによりその保護利用などが図られている。意匠の重要性はたとえば、店頭に並んでいる同種商品の性能、機能、材質および価格などが同じであれば、需要者の商品選択の規準は色彩、形状、模様などデザインの良否に絞られることから明らかである。[瀧野秀雄]

意匠法

前に述べたように商品のデザインすなわち意匠は産業活動の重要な一要素となる。そこで、日本では物品に関する意匠の創作を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とする「意匠法」(昭和34年法律第125号)が施行されている。その原点は、1888年(明治21)「意匠条例」にさかのぼり、1899年、1909年、1921年(大正10)の改正を経て1959年(昭和34)に現行法が制定された。現行法は1998年(平成10)に創造的デザインの保護強化と国際化に対応する大幅な改正が行われ、引き続き2006年には、さらに権利を強化する改正が行われた。また国際的には日本も加盟している「工業所有権の保護に関するパリ条約」(工業所有権保護同盟条約、パリ条約)や「知的財産権の貿易関連の側面に関する協定」にも意匠に関する規定が置かれている。意匠法によって保護される意匠とは、「物品(物品の部分を含む。第8条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう」(2条1項)と規定されている。法律上保護される意匠には部分意匠、組物の意匠(システムデザイン)も含まれる。ここにいう物品とは、動産のことであり、土地建物のような不動産は意匠法上の物品とはいえない。ただし、不動産であっても、組立てバンガローのような同一形状のものが多数、工場生産できるような動産的なものは意匠法上、物品として取り扱われている。以上のように意匠は、物品を離れては存在せず(講学上、意匠と物品の不可分性とよばれる)、また、その物品は定形性を有していなければならず、したがって液体、気体、流動体、粉粒体などは、物ではあるが意匠法上の物品とはいえない(講学上、物品の一定性とよばれる)。1998年の意匠法の改正により従来の類似意匠制度が廃止されて関連意匠制度が導入され、また、物品の部分についての意匠(部分意匠)も登録が認められることになった。さらに、2006年には、情報家電などの操作画面のデザインの保護対象を拡大する改正が行われた。[瀧野秀雄]
意匠登録
創作された意匠は物品名(物品の部分でもよい)を明らかにし、意匠法、同施行規則などが規定する図面、願書などを作成して特許庁に意匠登録出願をし、審査の結果、意匠法に定める登録要件を具備している意匠は、意匠権として登録原簿に設定登録がなされるとともに、意匠公報によって公開される。[瀧野秀雄]

意匠権

工業所有権(産業財産権)の一つ。特許権、実用新案権など他の工業所有権と同じく排他的独占権であり、意匠権者は業として登録意匠およびこれに類似する意匠の実施をする権利を専有し、存続期間は従来、登録の日から15年であったが、2006年改正法により20年に延長された。譲渡、相続、実施許諾、担保権設定が可能であり、意匠権の侵害に対しては、民事上は、差止請求権、損害賠償請求権、不当利得返還請求権および信用回復措置請求権などが認められ、刑事上は、従来3年以下の懲役または300万円以下の罰金であったが、2006年改正法により10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に引き上げられた。なお、意匠権侵害罪は非親告罪である。
 意匠の出願件数および登録件数の過去10年の推移は以下のとおりである。
●1999年
 出願件数 37,368
 登録件数 41,355
●2000年
 出願件数 38,496(前年対比:103.0%)
 登録件数 40,037(前年対比: 96.8%)
●2001年
 出願件数 39,423(前年対比:102.4%)
 登録件数 32,934(前年対比: 82.3%)
●2002年
 出願件数 37,230(前年対比: 94.4%)
 登録件数 31,503(前年対比: 95.7%)
●2003年
 出願件数 39,267(前年対比:105.5%)
 登録件数 31,342(前年対比: 99.5%)
●2004年
 出願件数 40,756(前年対比:103.8%)
 登録件数 32,681(前年対比:104.3%)
●2005年
 出願件数 39,254(前年対比: 96.3%)
 登録件数 32,633(前年対比: 99.9%)
●2006年
 出願件数 36,724(前年対比: 93.6%)
 登録件数 29,689(前年対比: 93.6%)
●2007年
 出願件数 36,544(前年対比: 99.5%)
 登録件数 28,289(前年対比: 95.3%)
●2008年
 出願件数 33,569(前年対比: 91.9%)
 登録件数 29,382(前年対比:103.9%)
(注)特許庁ホームページ掲載、2009年6月[瀧野秀雄]
『紋谷暢男著『意匠法25講』(1969・有斐閣) ▽斎藤瞭二著『意匠法概説』補訂版(1995・有斐閣) ▽加藤恒久著『改正意匠法のすべて』(1999・日本法会) ▽高田忠著『意匠』(2000・有斐閣) ▽特許庁編『工業所有権法逐条解説』第16版(2001・発明協会) ▽荒木好文著『図解 意匠法』(2003・発明協会) ▽渋谷達紀著『知的財産法講義2 著作権法・意匠法』(2004・有斐閣) ▽田村善之著『知的財産法』第4版(2006・有斐閣) ▽寒河江孝允・峯唯夫・金井重彦編著『意匠法コンメンタール』(2007・レクシスネクシス・ジャパン、雄松堂出版発売)』

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