ボヤナ聖堂(読み)ボヤナせいどう(その他表記)Boyana Church

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボヤナ聖堂」の意味・わかりやすい解説

ボヤナ聖堂
ボヤナせいどう
Boyana Church

ブルガリア西部,首都ソフィアの南 8kmのビトシャ山麓の町ボヤナにある三つの小聖堂。それぞれの建造年代は大きく異なるが,通路で結ばれ,全体として一つにまとまっている。最古のものは東端の聖堂で 1048年の建造。ミラの聖ニコラウスに捧げられた 18のフレスコ画にちなんで聖ニコラウス聖堂と呼ばれる。中央にある2階建ての聖堂は 1259年の建造で,建立者セバストクラトル・カロヤンにちなんで聖カロヤン聖堂と呼ばれ,のちに聖堂群全体の呼称になった。ビザンチン様式に生き生きとした人間的表現を加味したタルノボ派の様式によるフレスコ画は 89場面 240人を描き,聖パンティレイモンに捧げられた。このためこの聖堂は聖パンティレイモン聖堂とも呼ばれる。西端の聖堂は 1845年に増築された部分で,中央聖堂の修復という名のもと,反オスマン帝国の高揚を目指したキリスト教徒と国民主義者の手になるものであった。 20世紀に入って,特に中央聖堂のフレスコ画の損傷が激しくなり,1970年代末保護のため聖堂は閉鎖され,修復作業が進められた。 1979年世界遺産の文化遺産に登録。

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