サッカラ(読み)さっから(英語表記)Sakkara

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サッカラ」の意味・わかりやすい解説

サッカラ
さっから
Sakkara

カイロの南約28キロメートル、ナイル川西岸に広がる古代エジプト墓地。南北約7キロメートル、東西約2キロメートルにわたるこの墓地には、第1王朝からプトレマイオス王朝に至るあらゆる時代の古代エジプトの墓がある。地名はこの地方の初期の墓地神ソカリスに由来するようである。墓は、古代エジプトののちも、ローマ時代やキリスト教初期にもここに築かれた。したがって、エジプト全土の中で、面積においても時間の長さにおいても第一の墓地である。初期王朝のものには第1王朝のアハ王、ヘマカ王のマスタバ(腰掛形墳墓)などがある。ピラミッド時代の巨大石造建築物に、第3王朝のジョセル王の階段ピラミッド、第5王朝のウセルカフ王とウナス王のピラミッド、第6王朝のテティ王のピラミッドがある。発掘は絶えず行われ、注目すべき成果が得られている。その一つに、1975年発見の、王となる前のホルエンヘブ将軍(第18王朝)の墓がある。

[酒井傳六]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サッカラ」の意味・わかりやすい解説

サッカラ
Saqqarah

エジプト,カイロ南方約 24kmのナイル川左岸にある小村の名で,エジプト古王国時代のピラミッドの所在地としてギザ,アブシール,ダハシュールと並んで有名。ここには,エジプト最古の石造建築である第3王朝ジョセル王の階段式ピラミッド (ステップ・ピラミッド) をはじめ 10あまりのピラミッド群,第5王朝のティ,第6王朝のカゲムニ,メレルカなどの多数のマスタバなどが現存する。

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