改訂新版 世界大百科事典 「ボン掃天星図星表」の意味・わかりやすい解説
ボン掃天星図・星表 (ボンそうてんせいずせいひょう)
Bonner Durchmusterung
F.W.アルゲランダーがドイツのボン天文台の口径72mmの望遠鏡を用いて観測し,可能なかぎりのすべての恒星の位置と明るさを記録した星図と星表。1859-86年にかけて出版された。Durchmusterungは一つ残らずリストするという意味で,略してBD星表と呼ばれる。赤緯-2°以北の恒星32万個を記載し,のちに門弟が-23°まで拡張,13.3万個を追加した。星は赤緯の1度の幅ごとに赤経の順に配列してあり,その番号は今も星の名まえとして用いられる。星の位置は1855年の赤経,赤緯で,赤経は0.1秒,赤緯は0.′1,明るさは0.1等のきざみになっている。BD星表に対応する南天のそれはコルドバ掃天星図・星表(略称CD星表)で,61万個の星を記載してある。
執筆者:大沢 清輝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報