デジタル大辞泉
「ぽかん」の意味・読み・例文・類語
ぽかん
[副]「ぽかり」に同じ。「うしろからぽかんとやられた」「ぽかんとして聞いている」「ぽかんと時間に穴があく」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ぽかん
〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 頭などをたたく音、堅い物を打って響く音などを表わす語。
ぽかり。ぽかあん。
※
吾輩は猫である(1905‐06)〈
夏目漱石〉八「
大概はポカンと大きな音を立てて弾ね返る」
② 口をあけるさま、切り口が開くさま、転じて、漫然としているさま、ぼんやりしているさまを表わす語。ぽかり。ぽかあん。
※
古道大意(1813)下「
領解の行かぬ人は、やはり領解ゆかず、ぽかんとして居るものぢゃが」
③ 穴があいたり、急にうつろな感じが生じたりするさまを表わす語。ぽかり。
※晴れたり君よ(1924)〈
宇野浩二〉「救ふことの出来ない、ぽかんとした空隙を見いだした」
④ 物が大きくふくらむさまを表わす語。
⑤ あっけないさまを表わす語。
※恋を恋する人(1907)〈
国木田独歩〉二「やっと結婚して、一緒になったかと思ふ間もなく、ポカンと僕を捨てて逃げ出して了った」
ぽかん
〘名〙
小児の
遊戯の
一つ。用もないのに、戯れに人の名を呼んで
返事をさせ、「ぽかん」といってからかうもの。
幾度も行なう時はその度ごとに「
一貫貸した」「二貫貸した」などといった。
※歌舞伎・櫓太鼓鳴音吉原(1866)六幕「『慥にお前は長吉さんに』『え』『ぽかん、ええ笑かしやあがる』」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報