化学辞典 第2版 「マイクロ波分光法」の解説
マイクロ波分光法
マイクロハブンコウホウ
microwave spectroscopy
マイクロ波を物質に当ててそのスペクトルを研究する分野.一般には気体を対象にして分子の構造や内部運動を調べる回転スペクトルの研究をさすことが多いが,電子励起状態にある分子種や常磁性結晶を研究する磁気共鳴吸収を含めることもある.波長1 cm 付近のマイクロ波が多く使われるが,この光量子エネルギーは1/12000 eV 程度ときわめて小さいので,紫外,可視,あるいは赤外スペクトルでは観測が困難なエネルギー準位の微小な差を精密に測定できる.最近,宇宙空間の分子種を研究する電波分光学,分子線にマイクロ波を当てる分子線分光学,2種類の電磁波を同時に分子に当てる二重共鳴による緩和の研究などが発展している.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報