電波分光学(読み)でんぱぶんこうがく(その他表記)radio frequency spectroscopy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電波分光学」の意味・わかりやすい解説

電波分光学
でんぱぶんこうがく
radio frequency spectroscopy

分子原子原子核などのエネルギー準位の微細な差を測定する分光学の分野。振動数が約 100kHzから 100GHz程度の単一振動数の電波を分子,原子,原子核などに当てて準位間の共鳴遷移を起させ,そのスペクトルから 10-4 eV以下の微小な準位構造が調べられる。磁気共鳴,核四重極共鳴,常磁性共鳴,強磁性共鳴や,原子線,分子線の技術を併用し,分子構造,分子内の回転,超微細構造,ゼーマン効果シュタルク効果,核の磁気モーメントや電気四重極モーメントなどが研究対象となっている。レーザーメーザーの技術は,これに関連して進歩した。波長 10cm~1mm (振動数3~300GHz) のマイクロ波領域の電波を用いたものを,特にマイクロ波分光学ということもある。

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