日本大百科全書(ニッポニカ) 「マウスオポッサム」の意味・わかりやすい解説
マウスオポッサム
まうすおぽっさむ
mouse-opossum
哺乳(ほにゅう)綱有袋目オポッサム科マウスオポッサム属に含まれる動物の総称。この属Mormosaの仲間は、メキシコからパタゴニア北部まで分布し、ナミマウスオポッサムM. murina、メキシコマウスオポッサムM. mexicanaなど約50種に分類される。頭胴長7~20センチメートルで、外形はハツカネズミかクマネズミに似ている。尾は頭胴長とほぼ同じか、約2倍の長さがある。多くの種では尾に脂肪を蓄え、尾の先端下面は物に巻き付けるのに適している。体上面の色は灰色から暗い赤茶色まである。育児嚢(のう)はなく、6~19個の乳頭がある。多くの種は単独で樹上にすみ、昼間は巣内で休息し、夜活動する。バナナ、パパイヤ、パイナップルなども食べるが、主食は昆虫である。1回に6~12頭あるいはそれ以上の子を産む。生まれたばかりの子は非常に小さく米粒大で、毛は生えていず目も閉じている。
[中里竜二]