マツコブビョウキン(読み)マツコブビョウキン(その他表記)Cronartium quercum; pine gall rust

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マツコブビョウキン」の意味・わかりやすい解説

マツコブビョウキン(松瘤病菌)
マツコブビョウキン
Cronartium quercum; pine gall rust

担子菌類銹菌目メラムプソラサビキン科。アカマツ,クロマツ,リュウキュウマツなどに寄生して,幹や枝に瘤をつくる銹病菌で,第2宿主としてコナラ,ミズナラ,カシワクヌギシイ,クリなどに寄生し,それらの葉に夏胞子および冬胞子をつくる。マツの瘤部分の樹皮の下,やや深部菌糸が生長して,銹胞子を形成する。銹胞子は4~5月に,樹皮の裂け目から外に出て飛散し,第2宿主の若葉に到達する。ここで発芽して葉内に寄生し,やがて胞子をつくる。胞子はマツの若芽などから組織内に入り寄生する。なお早春,マツの瘤から蜜液状の粘液が出るが,この液には瘤の部の樹皮下の比較的浅いところに生じた精子を含み,これが小動物の媒介で運搬されて他の瘤に達し,有性生殖が行われている。

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