まつぼり風(読み)まつぼりかぜ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「まつぼり風」の意味・わかりやすい解説

まつぼり風
まつぼりかぜ

九州阿蘇(あそ)山の火口原から吹き出す局地風名。夜間放射冷却によって火山原にたまった冷気が、西側外輪山一部を切る谷に沿って流出するが、白川(しらかわ)沿いの熊本県南阿蘇(みなみあそ)村立野(たての)付近でもっとも強くなり、これをまつぼり風という。この風は4~5月と9~10月に多く発生する。強風害のほか冷気害もおこる。

根本順吉

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世界大百科事典(旧版)内のまつぼり風の言及

【風】より

…春の〈桜まじ〉〈油まじ〉,盆の精霊送りの後の〈送南風(おくりまぜ)〉などがある。 まつぼり風阿蘇の火口原にたまった冷気が外輪山の立野から白川沿いに熊本平野へ吹き出す強風。春や秋に多い。…

※「まつぼり風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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