マネジリアル・グリッド(その他表記)managerial grid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マネジリアル・グリッド」の意味・わかりやすい解説

マネジリアル・グリッド
managerial grid

アメリカの心理学者 R.ブレーク,J.S.モートンらが開発した経営管理者の像の類型化のための方法。まず正方形横軸に「業績に対する関心」,縦軸に「人間に対する関心」をとり,それぞれの軸に1から9までの目盛りをおく。こうしてできる9×9=81の格子 (グリッド) から成る図表の上に,業績,人間それぞれについての管理者がどの程度関心をもっているかを位置づける。たとえば業績に対する関心は9であるが人間に対する関心が1の場合は9・1型ということになり,これは権力型,覇道型の管理者のスタイルといえる。同じように1・1型,5・5型,1・9型,9・9型と計5つの型の管理者のスタイルが類型化される。このようにして典型的な管理行動および各自の管理行動を分析し,期待される管理者を育成していく教育訓練,リーダーシップ・トレーニングなどに役立てようというのが現代のグリッド理論の目的である。ただし9・9型のスタイルを理想としている点で,部下の個性や成熟度に応じてスタイルを使い分けるべきであるとの批判がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android