グリッド(読み)ぐりっど(英語表記)grid

翻訳|grid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリッド」の意味・わかりやすい解説

グリッド
ぐりっど
grid

電子管の中の網状や螺旋(らせん)状の電極。ド・フォレストが二極管に肉焼き網(グリダイアンgridiron)に似た加熱用電極を入れたのが三極管発明端緒となったことからこの名がつけられた。単に格子ともいう。電子管内の電子流を制御する制御格子(コントロールグリッド)、高周波的に接地する目的の遮蔽(しゃへい)格子(スクリーングリッド)、陽極からの二次電子を抑制する抑制格子(サプレッサーグリッド)、微小電流測定用などにくふうされた空間電荷格子(スペースチャージグリッド)などがあり、それぞれ目的に応じた名を冠してよんでいる。単にグリッドとよぶときは制御格子をさす。

[岩田倫典]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グリッド」の意味・わかりやすい解説

グリッド
grid

二極真空管の陽極と陰極との間に挿入される格子状または螺旋状の電極をグリッドという。単に格子とも呼ばれ,空間電荷を制御する作用をもつ。グリッドが1つのときを三極管といい,1907年 D.フォレストにより初めてつくられた。このグリッドは制御格子と呼ばれ,通常は陰極に対して負のバイアス電圧を加えて用いられる。制御格子のほか遮蔽格子を加えた四極管,さらに抑制格子を加えた五極管などもある。

グリッド
grid

遺跡発掘において,調査対象地を碁盤目状に区切った区画のこと。遺跡を全面発掘して面的に把握しようとする場合に効果的な方法。まず調査区に水糸を張ってグリッドを設定し,各区画の四方に土層観察用のアゼを残しながら,区画内を水平発掘していく。この方法によれば,平面断面を関連づけながら観察することができ,遺構を立体的にとらえられる。遺跡の発掘調査に際しては,このグリッド方式のほか溝状に発掘していくトレンチ方式を,目的や遺構に応じて効果的に使い分けることが重要である。

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