日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリッド」の意味・わかりやすい解説
グリッド
ぐりっど
grid
電子管の中の網状や螺旋(らせん)状の電極。ド・フォレストが二極管に肉焼き網(グリダイアンgridiron)に似た加熱用電極を入れたのが三極管の発明の端緒となったことからこの名がつけられた。単に格子ともいう。電子管内の電子流を制御する制御格子(コントロールグリッド)、高周波的に接地する目的の遮蔽(しゃへい)格子(スクリーングリッド)、陽極からの二次電子を抑制する抑制格子(サプレッサーグリッド)、微小電流測定用などにくふうされた空間電荷格子(スペースチャージグリッド)などがあり、それぞれ目的に応じた名を冠してよんでいる。単にグリッドとよぶときは制御格子をさす。
[岩田倫典]