グリッド

デジタル大辞泉 「グリッド」の意味・読み・例文・類語

グリッド(grid)

鉄格子や魚の焼き網など、格子状のもの。
電子管陽極陰極との間に置かれる格子状の電極。格子。
地図や図面などの上に引いた格子状の直線

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「グリッド」の意味・読み・例文・類語

グリッド

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] grid 格子(こうし)の意 )
  2. 多極電子管のカソード(陰極)とプレート(陽極)の間にあり、主として電子流を制御する電極。円筒形または楕円筒形に細い線を巻き、カソードを包むようにした構造のもの。制御グリッド遮蔽グリッド、抑制グリッドなどがあるが、ふつうグリッドといえば制御グリッドをさす。格子。→真空管。〔現代術語辞典(1931)〕
  3. 鉛蓄電池のペースト式極板で、活性物質が詰められている格子状の基板。活性物質の脱落防止、電流分布の均一化などの機能をもつ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「グリッド」の意味・わかりやすい解説

グリッド

格子とも。電子管の陽極・陰極間に置かれ,両極間の電子流を制御する電極。陰極の周囲を細線導体でらせん状または網状に取り囲む。その果たす役割により制御グリッド,遮蔽(しゃへい)グリッド,陽極の二次電子を抑制する抑制グリッド等に分けられるが,一般には制御グリッドをさす。
→関連項目格子真空管多極管

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリッド」の意味・わかりやすい解説

グリッド
ぐりっど
grid

電子管の中の網状や螺旋(らせん)状の電極。ド・フォレストが二極管に肉焼き網(グリダイアンgridiron)に似た加熱用電極を入れたのが三極管発明端緒となったことからこの名がつけられた。単に格子ともいう。電子管内の電子流を制御する制御格子(コントロールグリッド)、高周波的に接地する目的の遮蔽(しゃへい)格子(スクリーングリッド)、陽極からの二次電子を抑制する抑制格子(サプレッサーグリッド)、微小電流測定用などにくふうされた空間電荷格子(スペースチャージグリッド)などがあり、それぞれ目的に応じた名を冠してよんでいる。単にグリッドとよぶときは制御格子をさす。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グリッド」の意味・わかりやすい解説

グリッド
grid

二極真空管の陽極と陰極との間に挿入される格子状または螺旋状の電極をグリッドという。単に格子とも呼ばれ,空間電荷を制御する作用をもつ。グリッドが1つのときを三極管といい,1907年 D.フォレストにより初めてつくられた。このグリッドは制御格子と呼ばれ,通常は陰極に対して負のバイアス電圧を加えて用いられる。制御格子のほかに遮蔽格子を加えた四極管,さらに抑制格子を加えた五極管などもある。

グリッド
grid

遺跡の発掘において,調査対象地を碁盤目状に区切った区画のこと。遺跡を全面発掘して面的に把握しようとする場合に効果的な方法。まず調査区に水糸を張ってグリッドを設定し,各区画の四方に土層観察用のアゼを残しながら,区画内を水平発掘していく。この方法によれば,平面と断面を関連づけながら観察することができ,遺構を立体的にとらえられる。遺跡の発掘調査に際しては,このグリッド方式のほか溝状に発掘していくトレンチ方式を,目的や遺構に応じて効果的に使い分けることが重要である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「グリッド」の解説

グリッド

画面に表示される格子状の線。グラフィックスソフトなどではウィンドウに表示でき、文字や画像を配置するときの目安になる。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のグリッドの言及

【電子管】より

…二極管は交流を直流に変える整流素子としてあらゆる通信機,計測器などに使われたが,70年以降半導体素子が使われている。
[格子制御管]
 (1)三極管 二極管の陰極と陽極の間に制御格子(グリッドgrid)と呼ばれる網状または格子状の電極を挿入したもので,陰極に対し陽極には正(小型管では数十~数百V),格子には原則として負(-数~-数十V)の電圧を与える。電子は格子の隙間を通り陽極へ流れるが,格子電圧のわずかの変化で陽極電流が大きく変化するため増幅作用をもつ。…

※「グリッド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android