改訂新版 世界大百科事典 「マヘンドラ王」の意味・わかりやすい解説
マヘンドラ王 (マヘンドラおう)
Mahendra Vir Vikram Śāh Deva
生没年:1920-72
ネパール国王。在位1955-72年。1960年〈国王クーデタ〉により全権を掌握し1950年代の政党政治を終わらせた。これはネパール国民会議派Nepal National Congressの社会主義的農地解放政策やインド寄りの外交姿勢に国王および周辺の旧勢力が反発した結果といわれる。また国王側からは政党側の不正,行政の非能率などが理由とされた。以後〈パンチャーヤット民主主義〉の名のもとに62年に新憲法,民法を発布,無政党の間接選挙により村,町,郡,県(1969廃止),国家レベルの議員を決め,村を除く各レベルに官選首長を置く体制を導入,農地改革も行った。また外交面では中国と接近,インドを牽制し非同盟の方針をとった。
執筆者:石井 溥
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報